遺言は本人の最後の意思表示です。残された家族が揉めないように、そして相続の精神的、事務的な負担を軽減するためにも元気なうちに確かな遺言を作成することをお勧めいたします。
遺言書
遺言書は相続人が遺産の分け方で争わないように遺言者(被相続人)が生前に自らの死後の財産の分け方を記した文章です。原則として遺言書があった場合は法定相続に優先します。また、遺言書は、単に相続人同士の争いを防ぐという目的だけでなく「障がいのある子供に多く財産を残したい」とか、「前妻の子と現在の配偶者と言ったような複雑な関係において相続手続きを簡略化し相続人の精神的負担を減らしたい」など、遺言者の家族に対する最後の思いやりが込められたメッセージでもあります。
あなたの思いを遺言書として正確に伝えるには遺言に関する法律の理解と定められた形式を守る必要があります。当事務所では普通方式のうち自筆証書遺言と公正証書遺言の作成をサポートしております。
1.自筆証書遺言
遺言者が文字どおり自分で書く、最も手軽でポピュラーな遺言書です。
自筆証書遺言として認められるには
- 財産目録を除く全文を自筆する
- 作成日付を正確に記す
- 遺言者本人が署名押印する
自筆証書遺言のメリット
- 自分一人で作成が可能
- 遺言書の内容を秘密にできる
- 費用が安い
- 気軽に作成できる
自筆証書遺言のデメリット
自筆証書遺言は遺言者が単独で作成することができるので
- 公正証書遺言に比べて本当に遺言者が自分の意思で作成したかの信憑性が低い
- 自分で書くので、分量が多い場合や、複雑な内容を法律的に正確に書くのが大変
- 遺言者の死後に相続人に発見されない恐れがある
- 一部の相続人による改ざん・隠ぺい・破棄されるなどの恐れがある。
- 家庭裁判所の検認が必要
自筆証書遺言書保管制度
2020年7月10日より自筆証書遺言書を法務局に預ける制度が始まります。この制度を利用することにより、上記の自筆証書遺言のデメリット③、④、⑤が解消されます。
2.公正証書遺言
公正証書遺言は公証人と証人二人の面前で作成される遺言書です。通常は公証役場で作成されますが、遺言者が公証役場へ出向けない場合は、公証人が病院等へ出張してくれます。作成された遺言書原本は公証役場において厳重に保管されます。
公正証書遺言のメリット
- 公証人が遺言者の遺言能力を確認するので信憑性が非常に高い
- 公証人が遺言の内容の有効性の確認、遺言内容につての助言等をしてくれる
- 文章は公証人が作成してくれるので書く必要がない
- 遺言書の紛失・改ざん・隠ぺい・破棄等のリスクがない
- 遺族が遺言を検索することができる
- 家庭裁判所の検認が不要
公正証書遺言のデメリット
- 身分関係・財産関係を証明する書類収集、公証人との打ち合わせなどの手間
- 費用がかかる(戸籍謄本等の取得や公正証書作成手数料等)
- 時間がかかる(公証人と打ち合わせ後、作成が数週間後になることがあります。)
- 公証人、証人に遺言の内容を知られる
自筆証書遺言をどのように書いたらいいかわからない方、自筆証書遺言か公正証書遺言のどちらで遺言書を作ろうかお悩みの方などなど、どうぞお気軽に当事務所へご相談ください。お客様の事情をお聞きし、親切丁寧なご提案をさせていただきます。
